認知機能低下予防には、有酸素運動と認知課題を同時に行うデュアルタスク運動が効果的とされており、ゴルフは、その要素が組み込まれたスポーツであると考えられています。一方、日本では、現在4,000を超えるゴルフ場や練習場があり、これらのゴルフ場や練習場が認知症予防のインフラ的機能を兼ねた施設となり、ゴルフ場スタッフも高齢者の健康を支える人材となることができれば、認知機能低下予防の観点から、広く社会に貢献できるものと考えます。本研究では、科学的なエビデンスに基づき、認知症予防の観点から、ゴルフの効果を検証することを目的とします。
運動による介入前後の認知機能、運動機能、QOL(Quality of life 生活の質)などを測定し、介入前の数値と介入終了時の6か月後に実施する数値の比較により、高齢者の認知症予防におけるゴルフの効果を明らかにします。対象者は習慣的にゴルフを実施しない高齢者126名(目標)とし、ランダムにゴルフを開始する介入群とゴルフをしないコントロール群とに割り付けた介入研究を実施します。対象者の適格基準は65歳以上の高齢者で、週1回の運動に参加できること、検査実施場所が杏林大学と東京大学のため、そこまで検査を受けに来られることを条件として募集を行います。
また、健康上問題のある高齢者は対象外とします。
※内ゴルフ開始群50%、ゴルフしない群50%